空気が冷たい。

経済学では「人間は合理的な選択をする」という前提があるらしい。
合理的。なんとも冷たく、無機質な響きである。
しかし、某国ではクール=かっこいいという意味を持つようなので、
やはりここはクールに「やれやれだぜ」を口癖に、日々の生活を
過ごしていきたいと考えるのは、至極普通のことであろう。


俺は自他共に認める合理主義者なので、寝て起きてすぐ合理的な選択を行うことができる。
1日の始まりを最も有効に、効率的に、有意義に使うにはどうすべきか。
俺はその膨大な数学的哲学的計算を一瞬のうちに行うことができる。
この所業にはかのなんちゃらノイマンも存命ならば、さぞ驚いたことだろう。
そう、最適解はいつも一つしかないのだ。
特に、この心身ともに冷える冬という季節には。
俺はそうして宇宙の極限とも言うべき真理を悟りながら、
今日もまた布団の中で二度目のレム睡眠を享受するのである。



卒論を本格的に書いた。
しかし書きながら疑問が膨らんでいくというのはよくあることで、
いつの間にか足が図書館に向かっていたりする。
いいことである。
図書館の帰りにスーパーで酒を買って帰る。
悪いことである。
でも相殺すればプラスマイナスゼロなので気にしないことにする。